研究科長挨拶Message

長崎大学大学院総合生産科学研究科長   河本 和明


 いま私たちは喫緊の課題に囲まれています。例えばエネルギーの供給や資源の枯渇、気候変動の対策、生物多様性の保全、水・食料の確保や社会基盤(インフラ)の整備と維持管理、廃棄物の対応、デジタル技術の進展に付随する問題など挙げればきりがありません。これらの課題はどれも、いくつもの要因が絡まった複雑な難問で、到底1つの研究分野で太刀打ちできるものではありません。その対処のためには、1つの学問領域を超えた俯瞰的視野に立って学際的に英知を結集すると同時に、これらの課題に果敢に取り組む人材の育成が急務です。
 長崎大学は全学で、これらを含めた諸問題の解決に向けて、私たち自身の意識変容や行動変容を促し、地球上の生態系や社会のあるべき最適な姿を模索するプラネタリーヘルス(地球の健康)に貢献することを目

                  指しています。そのため、令和6年4月に情報データ科学部・工学部・環境科学部・水産学部の4学部を基礎学
                  部とする分野横断型の大学院「総合生産科学研究科」を設置しました。このように実に多様な専門分野を包括す
                  る研究科は世界的にも稀です。この「総合生産」という名称には、人々の広義の「生産」に直接・間接的に関わ
                  ること、またいわゆるプロダクトだけでなく、知識や考え方、技術や方法論等も含めて広く「うみだす」という
                  私たちの思いが込められています。
                   今後、イノベーションを起こしていくためには複数の分野にわたる連携研究がさらに重要になります。各々で
                  行っている個別分野の研究はまさに土台であり、もちろん大事です。しかしそれらが単独で存在するのではな
                  く、異なる専門分野や視点を持つ教員や学生が集まり、教育・研究する場を総合生産科学研究科は提供します。
                  具体的には、主に基盤的な研究を扱う「共生システム科学コース」、実装的な研究を推進する「海洋未来科学コ
                  ース」と「水環境科学コース」、複合的な研究を志向する5年一貫制博士課程「グリーンシステム科学コース」
                  が用意されています。まずは若い皆さんは、自らの拠って立つ専門分野をしっかり確立すべく勉強・研究してく
                  ださい。そしてさらに教員同士が行っている連携研究の重要性を理解してもらえると嬉しく思います。
                   
                   総合生産科学研究科では、約200名の教員が皆さんと一緒に研究することを心待ちにしています。ぜひプラ
                  ネタリーヘルスの実現に向かって私たちと一緒に挑戦しませんか?